「マルチ」についてご紹介します
今回は「マルチ」についてご紹介します。
マルチと聞いてドキッとした方。
安心して下さい。マルチと言ってもアノ商法のことではありませんよ。
ここで言うマルチとは、正式にはマルチング (Mulching)と呼ばれるもので、
畑の表面を紙やプラスチックフィルム等で覆うことをいいます。
サツマイモ栽培では栽培様式によって、
「無マルチ栽培」と「マルチ栽培」に分けられます。
無マルチ栽培では、マルチ栽培と比べるとサツマイモの蔓(つる)の成長が遅いため雑草が発生しやすいという特徴があります。
小面積の栽培ならこまめに除草ができますが、大面積の栽培では大変です。
大面積でのサツマイモ栽培では、マルチシートの下に雑草が発生しにくいマルチ栽培が向いています。
マルチ栽培をするメリットは雑草の予防以外にも、
土壌の乾燥防止、地中の温度調節、泥はねによる病気の伝染防止、雨で肥料が流れることを防止するなどの効果が期待できます。
サツマイモ栽培で使うマルチはどれ?
マルチ栽培で使われる被覆資材の種類はたくさんあります。また、素材や被覆方法によっても効果はさまざまです。
一般的にマルチングはプラスチック(ポリエチレン)製のマルチシート(マルチフィルムとも言います)を使用します。
マルチシートの色もたくさんあって、透明なマルチから白や黒、銀色など多様にあります。
その中でも、サツマイモ栽培でよく使われるマルチの色は黒色になります。
なぜ黒色のマルチを使うのかと言うと、地面の保温効果と防草効果が高いためです。
サツマイモの栽培初期は、雑草が少なくて地面の保温と保湿効果が高いとサツマイモの生育がよくなりサツマイモの形状もよくなります。
特に植えたばかりのサツマイモの苗は、いかに早く活着(根付き)をさせるかが最大の目標になりますので、マルチによる保湿効果というのはとても重要です。
環境に優しいマルチをご紹介!(生分解性マルチ)
先ほどマルチシートはプラスチック製が一般的に使われていると説明しましたが、最近では環境に優しい「生分解性(せいぶんかいせい)マルチ」というマルチシートが開発されています。
「生分解性マルチ」とは、作物を収穫した後、マルチを土にすきこむことによって微生物の働きにより水と二酸化炭素に分解されて、自然界へ循環していくマルチシートのことです。
一般的なマルチシートはプラスチック製ですので、収穫の時に回収して農業用の産業廃棄物として廃プラスチック処理をしなければなりません。
また、プラスチック製マルチが破れて畑の中に混ざることも懸念されます。
「環境」と「食」への影響が懸念されるプラスチック性マルチですが、生分解性マルチを使うことで「環境」と「食」の両方の安全性が得られます。
が、しかし!
生分解性マルチはプラスチック製のマルチと比べると価格が約2~3倍高いというデメリットがあります (*´Д`*)
かなりのデメリットではありますが、やっぱり「環境」と「食」への安全性にこだわったサツマイモを消費者の方々へ届けたいと思っていますので、私たちは生分解性マルチを選択しています ( ´∀`)
マルチングのやり方
トラクターでマルチングします
マルチングをするときは、写真のようにトラクターの後ろに生分解性マルチ(マルチングシート)をセットします。
横から見るとこんな感じです。
マルチングをした後はこのような光沢のある綺麗な畝(うね)が並びます。
まとめ
今回は少し専門的なお話しをしました。
最近ではマイクロプラスチックの問題がニュースでも取り上げられるなど、環境問題を含めたSDGsの関心が高まってきていますね。
「環境」と「食」の両方の安全性を高めることは、なかなか簡単なことではありません。
これからも、皆さんに安全で美味しいサツマイモを提供できるように、いろいろな事にチャレンジしていきます。応援していただけると嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。